川口です。今日はちと趣味の話を。

キャリアコンサルタントになる過程で多くの理論を学びました。もともとNLPなど心理学をベースにした学びが好きで、かれこれ20年近く続けて来ました。

その時々で仕事内容はセールスだったり、インストラクターだったり、チームづくりだったり、部下育成だったり、採用だったりと・・・様々でしたがいつも心理学と密接に関わって来ました。

そして現在は「人材育成」「組織開発」が主になっています。

好きな理論はたくさんある

キャリアに関する理論は驚くほどあるのですが、提唱者の一人が「エドガーシャイン氏」です。(組織心理学者として世界的に高名なマサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院名誉教授)

多くの研究をされていますが、最も有名なのが「キャリア・アンカー」という概念の発見と言われます。

キャリアアンカーとは何か?

キャリア・アンカーは、キャリアにおける選択、具体的には、職業・職種・勤務先などを選ぶ際に「判断基準」となるもののことです。

社会人としてキャリア選択する際の「基本指針」のことで、簡単に言うと「自分らしく生きる」ために、自分のキャリアにおいて絶対に譲りたくない在り方のこだわり。信念のような意味合いです。

⚓️

 キャリア・アンカーの「アンカー」の意味は船の「錨」(いかり⚓️)です。

船が海を渡る中で、ある港(会社/勤務地/職種)に辿り着いた時、錨⚓️」を下ろせばどこでも停泊できます。キャリアにおいては、異動によって様々な職種を経験しますし、転職して様々な会社を経験することもある。もちろん出産→育休という経験も一つのキャリアです。

これらキャリアの「旅路」が計画通りであっても、そうでなくても、何が起きても、自分の「錨⚓️」は変わることなく、自分らしさを保つための「拠りどころ」として存在している、そんな意味合いが「キャリア・アンカー」にはあります。

キャリアサバイバル

キャリアアンカー、つまり自分らしさを発揮するとはどういうことか?という自己理解が深まるのが30歳前後(社会人5〜7年)と言われます。

筏下りと山登り、という例えがありますが、周囲から与えられたチャンスを我武者羅!に乗り越える筏下りの時期を終え、山登りの山をぼんやりイメージする時期です。

このキャリアアンカーとセットで必要なのが「キャリアサバイバル」です。こちらもシャイン先生の研究から生まれたもの。シャイン先生すごいですよね。

キャリア・アンカーは自己理解と申しましたが「自分がどうありたいか」を起点にキャリアをデザインしたほうがいいよね!という思想があります。「自分らしく!」というやつです。

しかし、キャリアコンサルティングをする中でも「自分らしいのが幸せなんてわかってます。でもそんな簡単に条件も希望も合う仕事はありません!涙」という訴えが最も多いわけです。

自己理解と同時に「いま所属している会社や職務にどう適合するか、またはさせていくのか?」を考える必要があります。そして働く環境は常に変化していきます。コロナで窮地に立たされる経験をされた方もいらっしゃるように、現在はうまく適合していたとしても、環境の変化で自分の職種自体が消滅してしまう可能性も往々にしてあります。キャリア・サバイバルとは、キャリア環境変化に対応して「どう生き残るか」を考える為のものです。

マインドはインサイドアウト、客観的なアウトサイドイン

まとめますと、キャリア・アンカーは、在り方にフォーカスする「インサイド・アウト」キャリア・サバイバルは、自分を取り巻く環境への適応を考える「アウトサイド・イン」

両輪を回すことがキャリアを考える上で必要ですね。という事です。他社から見てかっこいい会社ばかり追うことや、自分らしさばかり追求して求められるスキルを持たないことは、片輪だけ回っていないか?と振り返ってみましょう。

仕事をするときにこれを習った方は多いかと思いますが・・

自分らしいキャリアを選択するための基本的な視点として

・できること
・やりたいこと
・やるべきこと

という3点が示されることが多いのですが、これはキャリア・アンカーの理論がベースになっているそうですよ!

次回はキャリアアンカーについて掘り下げようと思います!