こんにちは、川口です!

今年になって定期ブログを再開したところ「見てますよ〜」と感想をいただくことが増え、ありがたさを噛み締めております。

NO.2研修・若手研修!

12月・1月とNO.2研修や若手対象の研修に登壇する機会をいただきました。

↓換気換気でブルブル、どうやっても眠くならない研修!笑

毎回どんな研修を希望するかアンケートを取るのですが、必ず上位に来るのが「リーダーシップ」「フォロワーシップ」です。やはり「ヒューマンスキル」が最初のヤマになるようです。

今回、私の主催する人材開発塾のメンバーや、様々な組織の若手の皆さんに質問を募りましたら、たーーーーくさん頂きました。

順に回答してまいります!

質問

昨年より異動で新チームでの仕事になりました。

しかしこれまでの部署との考え方の違いがあったり、まだメンバー全員の事をよくわかっていないこともあり、目標に向かって上手く周囲を巻き込めていない気がします。

だんだん自信と共にエネルギー値が下がり気味で「自分じゃなくてもいいのではないか?」とすら思ってしまいます。

回答

ご質問ありがとうございます!

相手に動いてもらう為に「まず理解に徹し、そして理解される」を体現しようとされるあたり、とても誠実な人柄が伺えます。本当に大事なことですよね。対人関係で一番大事なポイントだと思いますね。

理解する為に時間を費やすことで解決できそう!と思いきや、ご自身のエネルギーが持ちそうにない。という状況ですね。

人を巻き込む方法って、そういえば習う機会がありませんね。リーダーシップに括られてしまったり「相性」で語られたりして再現性がないケースが多い。

たまたま今のチームでうまくいっている!リーダーシップが発揮できている!と感じている方も、組織が変わればまたイチからチームビルディングが必要になり、「あれ?意外とうまくいかないなぁ」という壁にぶつかる事があります。

今回は質問でピンポイントにいただいた言葉を借りて「巻き込み力」としましょう。

巻き込み力とは

巻き込み力とは、周囲の人が動いて成果が出るチームにするスキル。ベースは「信頼と協力を獲得する力」です。

人を巻き込むのが上手い人のイメージはありますか?と聞いてみたところ・・

  • 声が大きい(主張が強い)
  • 引っ張っていく人
  • カリスマ性(圧倒的な実力)
  • 影響力のある人
  • 視野が広く必要な人に適切なタイミングでコンタクトを取れる人
  • 伝え方が上手な人
  • 信頼できる人
  • 顔が広い人
  • 明確に「助けて!」と言っている人

などが出てきました。「バリバリに仕事が出来る人=巻き込み力がある」という思い込みがあるかもしれませんが、最後のは毛色が違いますね。

意外かもしれませんが、組織において最も強制的に速く人を巻き込めるのはこれではないかな?と個人的には考えております。

と言いますのも、私が「女性初の支配人」なるものに就任した際、マルチプレイヤーではないリーダーとして成果を出すチームを作るには、本当にそれ以外の選択肢が見当たらなかったのです。

各セクションで自分より能力や技術の高い後輩の皆さんに「この範囲は確実に私には出来ないので助けてください・・」と明確にヘルプを出して頼り切っておりました。この「明確に」にだけはこだわりました。範囲と責任と権限を明確にするという意味です。

チームとしての成果は出続けたので、最適解だったと思います。実際は「組織の上の方の偉い人」が私の知らぬところで根回ししていたからこそ完成した戦略に違いないのですが、それもまた組織という制度の素晴らしいところですね。

(当時助けていただいたメンバーの皆さんはそれぞれご出世なさっていますが、今でも感謝でございます。)

確かなこととすれば、巻き込み力のある人は全ての業務スキルが高い事が絶対条件!でもないという事。

そして「ただそこにいるだけ」ではなく人を動かす為に「何らかの努力をしている」ことは間違いさそうですね。

一言で言えば、巻き込み力のある人=人を動かすコツを心得ていると言えます。

巻き込まれる時に働く力

では続いて「巻き込まれるのはどういう時か?」の視点から考えてみましょう。

社会心理学者ロバート・B・チャルディーニ氏の著書『影響力の武器』で記されている人間の行動原理を軸にすると・・

  • 返報性→何かしてもらったらお返しをしなければと考える
  • コミットメントと一貫性→自分の言動には一貫性を持たせたい
  • 社会的証明→多くの人が支持するものは正しいと感じる
  • 好意→好意を感じる人の言葉に同意したくなる
  • 権威→権威のある人の言葉は正しいと感じる
  • 希少性→手に入りにくいものほど欲しくなる

これらに該当する時に、巻き込まれが発生すると言えます。

なのでものすごく単純に解釈してみると・・・

巻き込むための努力の方向

  • 返報性→動いてもらう為に先にひたすらgiveする!→困っていたら手助けする、相談に乗る、良い情報を提供する、差し入れするなどなんでも良い!
  • コミットメントと一貫性→本人が主体的に「よし、やるか!」と宣言してもらう機会を設ける。その為に対話をして「楽しそう」「何か得るものがありそう」「しょうがないな、一肌脱ぐか!」等と感じてもらう
  • 社会的証明→チームメンバーの2人以上に支持される(※一般的に3名以上になるとチームとみなされる
  • 好意→相手に好かれる、憧れられる、尊敬
  • 権威→昇格して、指示を出せる地位に就く
  • 希少性→なかなか出来ない経験ができる、価値があること、後々どのような役に立つのかを明確に示せる。時間を費すと「得する!」と感じてもらうこと。本人にとって魅力的な「希少なニンジン」が見える。→単純に昇給、だけではなく役割や権限、成長、納得度、自由度など様々。

という話になります。共通しているのは「相手が伝えてほしいように伝える力」ですね。(次のテーマにしようかな・・)

まず2つやってみましょう

努力の方向は明確になったと思いますので、2つ照準を定めてみましょう。なぜ1つではなく2つなのか?それは課題があるからです。

権威だけでは巻き込めない

行動原理を持ってしても巻き込めないケース。それは「権威のみで巻き込めると誤解した時」です。

あまり世代で括るのは好きではありませんが、わかりやすいので引用するとミレニアル世代(1981年以降に生まれ、2000年以降に成人を迎えた世代)においては、権威だけでは動かない人が増えていると考えた方が良いでしょう。(ミレニアルに限ったことではないですけどね)

もちろん仕事なので必要最低限の職務はこなすでしょうが、成果を出す為にポテンシャルを発揮してもらいたい。その為に「ノってもらう」ことが必要です。なので2つ武器を持ちましょうとしました。

人生100年時代の社会人基礎力に・・

経済産業省が提唱しているこちらをご覧になった事がありますでしょうか?

引用:人生100年時代の社会人基礎力について – 経済産業省

こちらでは能力を「アクション」「シンキング」「チームワーク」の3つに分類されており、前に踏み出す力の中に「働きかけ力」に他人に働きかけ巻き込む力とあります。(赤枠)

つまりですね、巻き込み力はもはや現代の「社会人の基礎力」扱いなわけです。私はリーダー向きではありませんとか、そういう次元の話ではなく「価値観が多様化されている現代社会をより良くする為に、みなさん持ちましょうね」という類のものです。

具体的なチームワークの為の能力が、発信力・傾聴力・柔軟性・状況把握力・規律性・ストレスコントロール力、とされていますね。巻き込んだ後にチームを向上させるには必須のスキルですね。

特に「ストレスコントロール」が入っているのが現代だなぁと感じます。

これは影響力の中にある「人に好かれる」の条件の一つだと思うのですが、「自分の機嫌を自分で取れること!」ではないかなと。そこを武器にしたい方は健康管理含め大事にされると良いと思います!

ではまた!